突然の38度を超える高熱、体中の関節がギシギシと痛む、そして強烈なだるさ。これらの症状が、特に冬場に現れた場合、多くの人が「もしかして、インフルエンザにかかったかもしれない」と考えるでしょう。そして次に直面するのが、「このつらい症状、一体、何科の病院へ行けば良いのか」という問題です。インフルエンザが疑われる場合、大人が受診すべき最も一般的な診療科は「内科」です。内科は、発熱や咳、全身の倦怠感といった、感染症全般を幅広く診療する科であり、インフルエンザの診断と治療における、まさに最初の相談窓口となります。かかりつけの内科医がいる場合は、普段のあなたの健康状態も把握してくれているため、安心して相談できるでしょう。内科では、まず問診で、症状の始まった時期や、周囲でのインフルエンザの流行状況、家族の感染の有無などを詳しく聞き取ります。そして、診察で喉の赤みや体の状態を確認し、インフルエンザが強く疑われる場合には、鼻の奥に細い綿棒を入れて粘液を採取する「迅速抗原検査」を行います。この検査により、15分程度でインフルエンザウイルスの感染の有無を判定することが可能です。陽性と診断されれば、ウイルスの増殖を抑える「抗インフルエンザ薬」や、高熱や体の痛みを和らげる解熱鎮痛薬などが処方されます。もちろん、内科以外の診療科でも、インフルエンザの診療は可能です。例えば、喉の痛みが特に強い場合は「耳鼻咽喉科」、咳や息苦しさが主症状である場合は「呼吸器内科」を受診するという選択肢もあります。これらの科でも、迅速検査や抗インフルエンザ薬の処方は行っています。しかし、インフルエンザは、全身に症状が現れる病気であるため、まずは体全体を総合的に診てくれる「内科」を受診するのが、最も標準的で安心な選択と言えるでしょう。大切なのは、高熱や関節痛といった特徴的な症状に気づいたら、自己判断で市販薬を飲み続けたりせず、早めに医療機関を受診することです。
インフルエンザかも?まず何科へ行けばいい?