りんご病は、一般的に子供の病気として知られており、子供がかかった場合は、頬が赤くなる以外は比較的軽い症状で済むことがほとんどです。しかし、子供の頃に感染せず、免疫を持っていない大人が、家庭内や職場でウイルスに感染してしまうと、子供とは全く異なる、つらい症状に見舞われることがあります。大人がりんご病に感染した場合、まず、子供ではあまり見られない、発熱や強い倦怠感、頭痛、筋肉痛といった、インフルエンザに似た全身症状が強く現れることがあります。そして、りんご病の特徴である発疹も、子供のように頬だけが赤くなるのではなく、全身、特に手足にレース編み模様の紅斑がより顕著に、そして広範囲に現れる傾向があります。しかし、大人のりんご病で最もつらい症状として知られているのが、「激しい関節痛」です。手首や足首、膝、そして特に手指の関節が、朝、こわばって動かしにくくなったり、ズキズキと痛んだりします。この関節痛は非常に強く、ペンが持てない、スマートフォンの操作ができない、歩くのが辛いなど、日常生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。この症状は、関節リウマチと非常によく似ているため、最初はりんご病と気づかれずに、リウマチを疑われて検査を受けるケースもあるほどです。この関節痛は、発疹が消えた後も、数週間から、長い人では数ヶ月にわたって続いてしまうこともあり、多くの大人を悩ませます。なぜ、大人がかかると、このようなつらい症状が出るのでしょうか。それは、大人の成熟した免疫システムが、ウイルスに対してより強く、そして過剰に反応してしまうためではないかと考えられています。この強い免疫反応が、関節などで激しい炎症を引き起こし、痛みとなって現れるのです。もし、お子さんがりんご病にかかった後、ご自身に原因不明の関節痛や発疹が現れた場合は、りんご病にうつった可能性を考え、内科や皮膚科を受診することをお勧めします。
大人がりんご病にうつるとどうなる?