インフルエンザの最も効果的な予防法は、流行が始まる前に「予防接種(ワクチン接種)」を受けることです。予防接種には、感染を完全に防ぐ効果はありませんが、もし感染してしまっても、発症する可能性を減らしたり、発症した場合の症状が重くなるのを防いだりする、非常に重要な効果が期待できます。特に、高齢者や、呼吸器・心臓などに持病のある方、そして乳幼児にとっては、重症化予防という点で、その意義は非常に大きいと言えます。では、このインフルエンザの予防接種は、どこで、何科で受けることができるのでしょうか。インフルエンザの予防接種は、多くの医療機関で受けることが可能です。最も一般的な接種場所は、やはり、かかりつけの「内科」や「小児科」のクリニックでしょう。毎年、秋になると(通常は10月頃から)、多くのクリニックで予防接種の予約受付が始まります。かかりつけ医であれば、あなたの健康状態をよく理解してくれているため、接種前の問診などもスムーズで、安心して受けることができます。また、子供の場合は、他の予防接種との同時接種の相談などもできるため、小児科で受けるのが基本となります。内科や小児科以外でも、多くの診療科で予防接種を実施しています。例えば、「皮膚科」や「耳鼻咽喉科」、「婦人科」といった、普段から通院しているクリニックで、かかりつけの患者さんを対象に接種を行っている場合もあります。わざわざ他の病院へ行かなくても、いつもの診察のついでに接種できることもあるので、一度、問い合わせてみると良いでしょう。近年では、企業によっては、会社の診療所や、提携する医療機関による「職域接種」として、勤務先で予防接種を受けられる機会も増えています。また、自治体によっては、保健所や特設会場での「集団接種」を実施している場合もあります。特に、高齢者を対象とした定期接種では、こうした集団接種が利用されることが多いです。インフルエンザのワクチンは、接種してから効果が現れるまでに約2週間かかり、その効果は約5ヶ月間持続するとされています。日本のインフルエンザの流行が、例年12月から3月頃にピークを迎えることを考えると、12月中旬頃までには、接種を済ませておくのが理想的です。
インフルエンザの予防接種、どこで受けられる?