家の中で見かける小さな甲虫や、毛虫のような幼虫。それらがすべてヒメカツオブシムシだとは限りません。非常によく似た外見と生態を持つ近縁種に、「ヒメマルカツオブシムシ」という害虫がいます。両者はしばしば混同されますが、その違いを知ることで、より的確な対策が可能になります。まず、成虫の見た目の違いです。「ヒメカツオブシムシ」の成虫は、体長3〜5ミリ程度で、全体的に黒褐色〜黒色の楕円形をしています。一方、「ヒメマルカツオブシムシ」の成虫は、体長が2〜3ミリとやや小さく、名前の通り、より丸みを帯びた形をしています。そして、最大の特徴は、背中の模様です。ヒメマルカツオブシムシの背中には、白や黄褐色のまだら模様があり、ヒメカツオブシムシよりもカラフルな印象を受けます。次に、幼虫の違いです。両者とも茶色く、毛むくじゃらの芋虫状で非常によく似ていますが、見分けるポイントはお尻の毛です。「ヒメカツオブシムシ」の幼虫は、お尻の先に長い毛の束が矢じりのように生えているのが特徴です。一方、「ヒメマルカツオブシムシ」の幼虫には、そのような長い毛束はありません。生態面での大きな違いは、成虫の好む花の色です。ヒメカツオブシムシの成虫が白い花を好むのに対し、ヒメマルカツオブシムシの成虫は、マーガレットやデイジーなど、黄色い花芯を持つキク科の花を好む傾向があります。ただし、家の中に侵入して産卵するという行動や、幼虫がウール製品や乾物を食害するという点では、両者に大きな違いはありません。対策方法も基本的には同じで、成虫の侵入防止、こまめな掃除、衣類や食品の適切な管理、そして防虫剤の使用が有効です。もし家の中でこれらの虫を見かけたら、名前がヒメか、ヒメマルか、と厳密に区別することよりも、「カツオブシムシの仲間がいる」という事実を重く受け止め、すぐに対策を始めることが何よりも重要です。
ヒメマルカツオブシムシとの違いは?似ているけど違う害虫