発熱した時、多くの人はまず内科を受診しようと考えるでしょう。それは決して間違いではありませんが、熱以外の症状に注目することで、より適切な診療科を最初から選べる場合があります。適切な科を選ぶことは、迅速な診断と治療につながり、結果として回復を早めることにもなります。例えば、熱と共に激しい咳や痰、呼吸の苦しさがある場合は、気管支炎や肺炎の可能性も考えられます。このような呼吸器系の症状が強い場合は、呼吸器内科が専門となります。また、喉の強い痛みや腫れ、飲み込むのがつらいといった症状が前面に出ているのであれば、耳鼻咽喉科を受診するのが良いでしょう。扁桃炎など、喉に原因がある発熱の可能性があります。腹痛や下痢、嘔吐といった消化器系の症状を伴う熱の場合は、胃腸炎などが疑われます。このケースでは、消化器内科が専門です。特に、食事がほとんど摂れない、水分補給もままならないといった状況では、点滴などの処置が必要になることもあるため、早めの受診が肝心です。さらに、高熱と共にひどい頭痛や吐き気がある場合は、髄膜炎などの重大な病気も考えられます。このような場合は、すぐに脳神経外科や神経内科のある総合病院の救急外来を受診すべきです。関節の腫れや痛みが主な症状であるなら、膠原病やリウマチの可能性も視野に入れ、リウマチ科や膠原病内科を検討します。このように、熱という一つの症状だけでなく、それに付随してどのような症状が最も強く出ているかを見極めることが、病院選びの重要な鍵となります。受診前にもう一度自分の体の声に耳を傾け、最もつらい症状は何かを整理してみることをお勧めします。