体にできた「しこり」。そのほとんどは、粉瘤や脂肪腫といった、心配のない良性のものです。しかし、ごく一部には、悪性腫瘍、すなわち「がん」のサインである可能性も隠されています。良性のしこりと、悪性を疑うべき「危険なしこり」を、自分で完全に見分けることは不可能ですが、いくつかの注意すべき特徴を知っておくことは、早期発見・早期治療に繋がる上で非常に重要です。以下に挙げるようなサインが、あなたのしこりに見られた場合は、自己判断で様子を見ることなく、速やかに専門の医療機関を受診してください。まず、最も重要な観察ポイントは、「大きさの変化」です。良性のしこりは、長期間大きさが変わらないか、非常にゆっくりと大きくなるのが一般的です。これに対し、悪性のしこりは、細胞分裂が活発なため、「数週間から数ヶ月という短い期間で、明らかに大きくなる」という特徴があります。次に、「しこりの硬さと動き」です。良性の脂肪腫などは、比較的柔らかく、指で押すと皮膚の下でコロコロと動きます。一方、悪性のしこりは、「石のように硬く」、周囲の組織に根を張るように浸潤していくため、「指で押してもほとんど動かない」ことが多いです。また、「しこりの形や表面の状態」にも注意しましょう。良性のしこりは、比較的境界がはっきりしていて、表面も滑らかなことが多いのに対し、悪性のものは、「境界が不明瞭で、いびつな形」をしていたり、「表面がデコボコしていたり」する傾向があります。さらに、「痛みや出血、皮膚の変化」も重要なサインです。通常、初期のがんは痛みを伴わないことが多いですが、進行して神経を圧迫したり、しこりの表面が崩れて潰瘍になったりすると、痛みや出血が見られることがあります。また、しこりの上の皮膚が、赤くなったり、ひきつれたり、ただれたりといった変化が現れた場合も、注意が必要です。これらのサインは、あくまで一般的な傾向であり、全てに当てはまるわけではありません。しかし、もしあなたのしこりに、これらの危険な特徴が一つでも当てはまるのであれば、それは体が発している重大な警告信号かもしれません。不安を煽るわけではありませんが、早期のがんであれば、治癒する可能性は非常に高くなります。ためらわずに、専門医の診察を受けてください。
注意!危険なしこりのサインとは