昨日の朝、玄関で靴を履く息子の背中を見て、ふと手が止まりました。春から高校二年生になる彼の肩幅はいつの間にか広くなり、見上げる私の視線はもう彼の顎のあたりにしか届きません。声もすっかり低くなり、幼い頃の面影はあっても、外見は立派な青年です。そんな彼が、昨夜から鼻詰まりと微熱を訴えました。その時、私の頭の中に「何科に連れて行くべきか」という疑問が浮かびました。これまでは一ミリの迷いもなく近所の「おひさま小児科」を予約していましたが、今の彼の姿を見て、あそこの小さな木製の椅子に座らせるのはどうなのだろう、とためらってしまったのです。結局、息子に「小児科と内科、どっちがいい?」と尋ねてみました。彼は少し考えた後、「どっちでもいいけど、小児科は赤ちゃんが多くて、自分が座ってると邪魔な気がするんだよね」と苦笑いしながら答えました。その一言に、彼の成長と、社会的な配慮ができるようになった精神的な成熟を感じて、私は少し寂しく、そして頼もしく思いました。結局、今回は彼の希望で私が行きつけの内科クリニックを受診することにしました。診察を終えて帰ってきた息子に感想を聞くと、「先生が子供扱いしないで、自分に直接『タバコは吸ってないよね』とか『夜更かしはほどほどに』って真面目な顔で言ってきたのが、なんか新鮮だった」と言っていました。この経験から学んだのは、診療科の切り替え時期は、親が決めるものでも、ましてや年齢の数字だけで決めるものでもなく、子供本人の「心理的な自覚」がどこにあるかで決めるべきだということです。息子にとって、小児科は「守ってもらう場所」であり、内科は「自分で管理する場所」として、無意識のうちに区別されていたのかもしれません。もちろん、アレルギーの検査結果などは小児科に蓄積されているので、必要があれば紹介状を書いてもらうつもりですが、一般的な風邪をきっかけに、彼は自分の足で大人の医療の世界へと一歩踏み出したのです。高校生という時期は、親離れのプロセスの連続です。病院の選び方一つをとっても、それは彼が自分の健康に対して責任を持つようになるための、大切なステップなのだと実感しました。これからは「連れて行く」のではなく、本人の意思を確認しながら「提案する」というスタンスに変えていこうと思います。息子の背中が大きく見えたあの朝、私は親としての役割が、保護から見守りへと、確実にフェーズが変わったことを悟りました。
息子の背が私を追い越した日に考えた内科への切り替え時期